結膜炎とは?
結膜とは瞼の裏側から白目の部分を覆っている半透明の膜で、外的刺激から目を守る役割を担っています。
様々な原因によりこの結膜で炎症が起こるのが結膜炎で、細菌やウイルス感染で起こる細菌性結膜炎、ウイルス性結膜炎、アレルギーが原因で起こるアレルギー性結膜炎などがあります。
うつる結膜炎
次の結膜炎は他の人にうつることがあるので注意が必要です。
流行性角結膜炎(はやり目)
症状
- 目やにが出る
- 涙が出る
- 目が充血する
- (重症化すると)角膜が濁る
原因
アデノウイルスに感染することで起こるウイルス性結膜炎で、一般的に「はやり目」と呼ばれています。
感染力が必要に高く、手やタオルの共用などでもうつることがあります。
学校保健安全法により、感染力がなくなったと医師が判断するまでは学校へ出席できない疾患に指定されています。
大人の場合も、感染を広げないために一般的に出社は控えることが推奨されます。
当院では数分で結果が出る、流行性角結膜炎の診断キットを用意しています。
結膜に麻酔の点眼をしてから、目やにと一部の結膜上皮細胞を採取します。
それを溶かしてキットに流すと、アデノウイルスが結膜に存在するかどうかがわかります。
治療法
流行性角結膜炎に有効な点眼薬はありません。 補助的に、他の感染を起こさないために抗菌点眼薬や、炎症をおさえるためにステロイド点眼薬などを使用します。
また、角膜の濁りがみられる場合にも、ステロイド薬の点眼を行います。
感染力が強いため、医師の許可が出るまでは登園・登校できず、大人の方も出社を控えなければいけません。
咽頭結膜炎熱(プール熱)
症状
- 目やにが出る
- 目が充血する
- 喉が痛い
- 熱がある
原因
アデノウイルスに感染することで起こるウイルス性結膜炎、流行性角結膜炎(はやり目)とはタイプの違うアデノウイルスが原因となります。
プールを介して感染することが多いことから、一般的に「プール熱」と呼ばれています。
治療法
発熱がある場合には解熱剤、喉が痛む場合には鎮痛剤などを使って治療します。
目の症状がある場合には、ステロイドを点眼します。
流行性角結膜炎(はやり目)同様、医師の許可が出るまで登園・登校できません。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎とは?
アレルギー性結膜炎とは、花粉などのアレルギー原因物質(アレルゲン)が付着することで、結膜で炎症が起こる疾患です。
花粉症など、特定の季節に起こる季節性アレルギー性結膜炎と、1年を通じて症状が現れる通年性アレルギー性結膜炎に分けられます。
その他、お子様によくみられる春季カタルや、ソフトコンタクトレンズの装用によって起こる巨大乳頭結膜炎などがあります。
アレルギー性結膜炎の分類
- 花粉症(季節性アレルギー性結膜炎)
- 通年性アレルギー性結膜炎
- 春季カタル
- 巨大乳頭結膜炎
1.花粉症(季節性アレルギー性結膜炎)
スギやヒノキなどの花粉が原因で起こるアレルギー性結膜炎で、多くの場合、アレルギー性鼻炎も合併します。
アレルギー原因物質(アレルゲン)が飛散する時期にだけ症状が現れますが、複数の花粉に対してアレルギーがある場合、1年の多くの時期に症状に悩まされる場合があります。
症状
- 目がかゆい
- 目が充血する
- 目に異物感がある
- 目やにや涙が出る
原因
スギやヒノキなどの花粉が原因で起こります。
毎年、同じ時期に症状が現れ、スギ花粉が原因の場合、関西では飛散のピークは2~3月なので、その時期に症状が強く現れる傾向にあります。
4月を過ぎるとスギ花粉は落ち着きますが、今度はヒノキ花粉が増えてきます。
その他、イネ科の花粉は年間通じて飛散し、ブタクサやヨモギの花粉は8月末から10月にかけて、カナムグラは8月から11月にかけて飛散します。
ただし、イネ科、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラの花粉の飛散量はそれほど多くはありません。
治療法
抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬などを点眼して、つらい症状を改善します。
重度の花粉症に対してはステロイド薬を点眼することもあります。
2.通年性アレルギー性結膜炎
1年を通じて症状が現れるアレルギー性結膜炎で、埃やダニ、真菌(カビ)ペットの毛などのハウスダストが原因で起こります。
症状
- 目がかゆい
- 目が充血する
- 結膜が腫れている
- 目やにや涙が出る
原因
通年性アレルギー性結膜炎の原因は、埃やダニ、真菌(カビ)ペットの毛などのハウスダストです。
アレルゲンが日常生活の中にあるため、年間通じていつでも症状が現れます。
症状の改善・予防のためには、そうしたアレルゲンを身の回りから遠ざけるように工夫することが大事です。
治療法
抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬などを使った点眼治療を行います。
強い症状が現れている場合には、ステロイド薬を点眼します。
3.春季カタル
重度のアレルギー症状が慢性的に起こるアレルギー性結膜炎で、お子様によくみられます。
激しい目のかゆみや痛みなどが起こり、症状のために目が開けられなくなることもあります。
「春季」というのは「若年者」という意味で、決して春だけに症状が現れるわけではありません。
症状
- 激しい目のかゆみ・痛み
- 白い目やにが出る
- 結膜にデコボコができる
- 目が充血する
- 目に異物感がある
- 光をまぶしく感じる
- 角膜が白く濁る
原因
はっきりとした原因はわかっていませんが、花粉やダニ、コンタクトレンズなどのアレルギー症状として現れるケースもあれば、アトピー性皮膚炎や喘息に合併して起こるケースもあります。
治療法
抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬による点眼治療のほか、重度の場合にはステロイド点眼薬を使用します。
検査によりアレルゲンが特定された場合には、普段の生活からそれを遠ざけるようにします。
4.巨大乳頭結膜炎
上瞼の裏側にブツブツとした隆起ができるアレルギー性結膜炎で、主な遠因はコンタクトレンズに付着した汚れによるアレルギー反応です。一度発症するとアレルギー性結膜炎の分泌物によりコンタクトレンズの汚れがひどくなり、アレルギー症状が悪化するという悪循環に陥ってしまいます。
症状
- 上瞼の裏側にブツブツとした隆起がある
- 目に異物感がある
- 目がかゆい
- 目が充血する
- 目やにが出る
原因
コンタクトレンズの装用が原因で、レンズに付着したタンパク質汚れに対するアレルギー反応として各種症状が現れます。
治療法
使用しているコンタクトレンズを変更したり、点眼薬で治療したりすることで改善します。
強い症状が現れているケースでは、コンタクトレンズの使用を中止しなければいけない場合があります。
20分でアレルギー検査が可能!
(アレルギー性結膜炎診断)
大阪市鶴見区の大阪鶴見まつやま眼科では、簡単な検査でアレルギー原因物質(アレルゲン)が特定可能なアレルギー検査(イムノキャップ ラピッド アレルゲン8)を行っています。約20分で結果がわかります。
アレルギー性結膜炎、花粉症(アレルギー性鼻炎)の主な原因となる8項目に対しての、反応がわかる検査です。
スギ花粉やダニ、イヌやネコのフケなど、みなさんの目に入ってしまったり吸い込んでしまう可能性のあるアレルゲンに反応する「IgE」という抗体がからだの中にあるかどうかを調べます。
検査で原因アレルゲンを特定し、おくすりでの治療とアレルゲンを回避・除去するセルフケアによって、より高い治療効果が期待できます。
注射器を使う事なく指先から少しだけ採血するだけですので、小さなお子様でも検査を受けていただくことができます。
健康保険が適応されますので1割負担の方で約1,000円です。大阪市の中学生以下のお子様は、こども医療費助成制度の対象ですので、0歳から18歳(中学生以上は両親の所得制限あり)までの方は、500円(診察代込み)で受けることができます。
測定可能な項目
ハウスダスト系
- ネコの皮屑
- イヌの皮屑
- ヤケヒョウヒダミ
花粉系
- シラカンバ
- スギ
- カモガヤ
- ブタクサ
- ヨモギ
検査方法と流れ